美容院の似合わせカットでクレラップになった話
お姉さん!!!!
髪が伸びた。
小さな坊やに付きっきり状態で、1人でどこかへ出かける機会なんて、ほぼなかったのだ。
しかし先日、タイミングよく1人になれる時間が出来たので、久しぶりに美容院へ行けることになった。
ようやく、このうねうねしたメデューサみたいな髪とおさらばできる。
床に落ちている長い髪を丁寧に拾い上げて、
「ああ……また私の貴重な毛が一本、死にあらせられた……」
と嘆く日々とも、ついにおさらばである。
(夫が髪長めなので、ショートにすればどちらの髪か分からなくなるのです。)
早速私は近くのいい感じのサロンをチェックし、予約を入れる。
決め手は、クーポンに書かれていたこの言葉。
『似合わせカット』
なんて頼もしい響きだろう。
美容師がプロの目線で私に合った髪型を提案し、最高の自分へと変えてくれる。
髪の事などなーんも知らない私にとって、これほどありがたいクーポンはない。
明日はどんな提案をしてくれるのだろう。
私はどんな髪型が似合うのだろう。
そして似合う髪型にカットされた私の姿は一体…
そんな期待をしながら私は眠りについた。
カット当日。
ワクワクしながらサロンの扉を開く。
うーん、とってもいい匂い。
高級トリートメントの匂いがする。
席に案内され、鏡の前に座る。
美容師のお姉さんが、にこやかに聞いてくれた。
「今日はどんな髪にします?☺️」
来た。
いよいよだ。
私は少し照れながら言った。
「えーっと、バッサリショートかボブにしたくて…どっちの方が似合いますかね?//」チラッ
鏡越しに、期待に満ちた目でお姉さんを見る。
さあ!
私へのおすすめを教えておくれ!
そしていい感じに切ってくれ!
あなたの似合わせカットの力で!
「うーん、そうですねぇ…お好みだと思いますけど☺️」
あれ、お姉さん??
「ええっと…丸っぽい形の方がいいんですかね…私全然髪のことわからなくて」チラッチラッ
「うーん…☺️」
お姉さん!!
「どうなんでしょうね☺️」
お姉さんっ!!!似合わせカッツ!!!
似合わせカッツよ!!!
私の心の中のオネエが、全力で叫んでいた。
少々粘ったが、結局具体的なアドバイスは何ももらえなかった。
埒が明かないため、また髪が伸びたときに結びやすいようにと、ショートボブで切ってもらうにした。
似合わせカット、いやただの私の似合わせたいカットである。
実際に似合ってるかどうかも分からない、100%私チョイスであった。
似合わせカットとは。
哲学の扉が開きかけた。
髪が短くなった。
シャンプーがものすごく楽になった。
ドライヤーの時間も半分くらい短縮した。
素晴らしい。
革命である。
お風呂上がりの数時間後、夫がサウナから帰ってきた。
バチッと目が合う。
途端、何故か夫が私から顔を背けた。
…なんか笑いを必死に堪えている。
そしてイメチェン後の私に向けた第一声。
「あの…wそれなんだっけ…CMのさ…wおかっぱの女の子に似てるよな…ww」
誰がクレラップだ。
「ちょ、坊や見てwwママがwwあのおかっぱの子に…ブフォw」
坊やに共感を求めに行くな。
坊やは何も分かっていない顔で、こちらを見ていた。
そのまっすぐな瞳が、逆に刺さる。
そして私は学んだ。
「似合わせカット」と書いてあっても、最終的に似合わせるのは自分の説明力であると。
ボブにするとクレラップであるということ。
次はボブじゃなくて、レイアー付きのショートヘアにしよう。
クレラップ卒業はきっとそこから始まる。
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似合わせカットは信じてはいけない_φ(・_・
クレラップの子供みたいになる_φ(・_・
似合わせカットの謳い文句…えっ…笑
そりゃ心の中のオネェも騒ぎ出しますねw