私は、好き嫌いが多い。
野菜もきのこも基本ダメ。
わさびやマスタードなどの、あのツーンとくる系もダメ。
しかしその中でも、厄介なジャンルがある。
魚、スイカやさくらんぼ等のフルーツだ。
こやつらは味が嫌いなわけではない。
魚はうまい。
醤油をちょろっと垂らして食べれば、
「うまぁ…」
と思わず、にへっと口元がゆるんでしまう。
スイカも味自体は好きだ。
いつかスイカのてっぺんの一番甘いところだけを、王族のように贅沢食いしてみたい。
じゃあこいつらの何が嫌いなのか。
口に入るまでと、入れてからの作業が多すぎるところだ。
つまり私は、
食べるのがめんどくさい食べ物が嫌いなのである。
食べ物は基本、
口へ運ぶ。
噛む。
うまい。
常にこの3ステップでいて欲しい。
こちらは料理することすらめんどくさいし、そもそも苦手なのだ。
なぜ食べるときまで頑張らなくてはならないのか。
まず焼き魚。
箸を入れた瞬間から、骨、骨、骨。
ここは食べられそうだな。
🐟「骨です」
じゃあ、こっちは?
🐟「それも骨です」
邪魔すんじゃねぇ。
私はニコニコしながらお腹を満たしたいだけなのに、
気づけば眉間にシワを寄せながら、骨の発掘調査をしている。
奮闘している私に、夫が正面から口を挟む。
「これは背骨」
「そこは臓器を守る…」
知らんがな。
知ったところで、私は夕飯の魚で骨格標本を完成させる予定はない。
さらに腹が立つのが、
「よし。完璧に骨を取った」
と安心して口へ入れた、そのあと。
チクッ。
舌に走る、小さな痛み。
ティッシュに吐き出してみると、そこにはアサシンのように身を潜めていた、ほっそいほっそい骨。
まだいたのかよ。
もういい加減、成仏して大人しく私に食われてくれ。
そんなことをしていると、ふと、
「魚をきれいに食べられる人は育ちがいい」
みたいな話を思い出した。
自分の皿を見る。
身は散乱。
骨は四方八方。
皮はもはや皿の上にすら乗っていない。
バラバラ殺魚事件現場である。
次にスイカ。
夏の風物詩みたいな顔をしているが、あいつもだいぶめんどくさい。
ひと口食べる。
舌に当たる種の食感。
種を取る。
もうひと口食べる。
ゴリッ
…
また種を取る。
ぜんっぜん、スイカの甘さに集中できない。
途中からスイカを食べているのか、黒い粒を口の中で選別しているのか分からなくなる。
さらに汁がたれる。
手がベタベタになる。
親戚からもらった、贅沢保湿ティッシュが次々とゴミ箱へ吸い込まれる。
もったいねぇ…
こんなことに贅沢保湿を使うつもりではなかった。
スイカと皮が食べれないタイプのブドウを食べる時は安いティッシュを別に出さなくては。
そいつらに比べて、パンとかは素晴らしいと思う。
袋を開け、食べる。
終わり。
骨も種もない。
食器も必須じゃない。
洗い物すらなく、こちらへ面倒を押しつけてこない。
なんて優しい食べ物なんだ。
世の中の食べ物が、もう少しパンを見習ってくれればいいのに。
…とはいえ、人間はちゃんと楽をする方法も考えている。
この前スーパーで、
「骨をすべて取り除きました」
という鮭の切り身を見つけた。
え、最高じゃん!
私のための商品じゃん!!
そう思って値札を見た。
…そっと棚に戻した。
高ぇ。
なんだあの値段は。
シャインマスカットもそうだ。
皮ごと食べられる。
種もない。
私がフルーツに求めている条件を、ほぼ完璧に満たしている。
だが、びっくりするほど高い。
骨を取る手間。
皮をむく手間。
種を出す手間。
この世ではどうやら、
「めんどくさい」を誰かに代わってもらうには、お金がかかるらしい。
楽には対価が必要なのだ。
世の中、全て金である。
お金持ちになりたい。
そう願いながら今日も私は、
ちまちまと魚の骨を箸で避ける。
いつか値札を見ずに骨なし鮭をカゴへ入れられる、その日まで。
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スイカは切りながらシンクで食べるものです🤣🍉
わたしは左手に🍉、右手に🔪持ちながら黒い種をペンペン取りながら口に運んでます笑
魚はシラスにすれば骨がなく頭から食べれますね!
スイカは美味しいですが、種を取るのが面倒すぎて、食べないですねw w w