テスト中にヲタ曲が流れてメンタル死んだ話
尊厳と弁当を失った日
学生の時のテスト時間。
カンニング防止や集中の妨げにならぬよう、色々注意しなくてはならないことがある。
1つ、机の中は空っぽに。
2つ、シャーペンと消しゴム以外は机の上に置かないこと。
3つ、スマホの電源は切ること。
この3つ目が地味にめんどくさい。
スマホは直前まで使っていたいし、終わった後立ち上げるのもめんどくさい。
あの日は1時限目のテストのとき。
ちょっとだけホームルームに遅刻してバタバタして、自分の机を空っぽにするので精一杯。
その上でまだスマホも切っていない。
しかしもう既に、1番前の席にテスト用紙がまわろうとしていた。
あーもう!
別に1時間ちょっとくらい大丈夫やろ!
この浅はかな気持ちが、私を後ほど死ぬほど後悔させる事となる。
そうして私は、スマホの電源を落とさず、有線ヘッドホンをスマホに刺したままリュックに突っ込み、テストを試みたのだ。
テスト開始から約20分後。
大体、問題の半分が解けた頃だった。
~♩
…?
なにか小さな音が鳴っている。
外から…?いや、意外と近くからだ。
何が流れているんだろうか。
私は問題を解きながら、その音に耳を傾けた。
え!これ私の好きなアニソンじゃん!
推しの声聴きながら解けるとか神~!!
いいねいいね!この曲、私のスマホのプレイリストにも入っ…
あれ。
待て。
これ、私のリュックからじゃね?
血の気が引く。
ば、ばばばばばバカな!
だってスマホはヘッドホンに繋いであるはず!
仮に流れてしまったとしても、ヘッドホンからの音がこんなに大きく聞こえるはずがない!
…もしかしてヘッドホンジャック、バッグの中でスマホから抜けた??
そういえば私のヘッドフォンは、結構簡単に抜けるクセがあったのだ。
全てを理解した瞬間、これ以上ない焦りと羞恥心が私を襲った。
クスクスと笑い声が聞こえる。
チラチラと私を見るものもいた。
殺してくれ。
誰か私を今すぐ殺してくれ。
まだ優里のドライフラワーとか、いっそリンダリンダでも良かった。
しかし流れているのは、私しか知らなさそうな究極のヲタ曲である。
こちらはもうテストどころではない。
そこへ、異変に気づいて慌てて音の元を探す試験監督の先生がやってきた。
救世主の登場である。
先生!!このリュックです!!
早く外へ出して!!
この地獄を止めて!!!!
私の想いが伝わったのか、「後で覚えとけよ」と言わんばかりの顔を私に向け、先生は音のなるリュックを鷲掴む。
そしてリュックのチャックへ手を伸ばす。
…が、その手が止まった。
先生は考えてしまったのだ。
許可なくJKのリュックを漁っていいものか、と。
先生!!今はそれどころじゃないんです!
私の尊厳と今後の未来がかかっているのです!!
私の心の叫びは届かない。
己の倫理観と葛藤し続ける先生。
先生!!
早く!!!
ようやく何か覚悟を決めた目をする先生。
そうだ!いけ!!
終わらせてくれ!!
そして先生は、私のリュックを廊下へ向けて思いっきり投げた。
せんせぇ!!!
それお弁当入ってます!!!
リュックが宙を舞う。
予想教師歴、約20数年。
彼は1人の女子生徒のプライバシーを守り、代わりに中のお弁当を犠牲にした。
お弁当と尊厳よ、さらば。
テスト終了後、私は職員室へ呼び出された。
1枚の用紙を渡され、そこに反省文を書くように言われた。
辛い。
だって、私だけが悪いわけじゃないもん。
ヘッドホンが抜けるのが悪いんだもん。
バッグの中で勝手に自由を得たヘッドホンにも、多少の責任はあると思うんだもん。
そんな言い訳を述べても、結局はスマホの電源を落とさなかった私が悪い。
30分後、羞恥心と悔しさと怒りと悲しさの全てを詰め込んだ反省文『病みの書』(Black history report)が誕生した。
ようやく職員室から解放され、残り少ない休憩時間で、ぐっちゃぐちゃになったお弁当を泣きながら口に運ぶ。
なんという屈辱だろうか。
弁当の何もかもが塩味すぎる。
その日の夜になっても、私はイライラと悔しさがおさまらず、呑気に自分の話をする当時の彼氏に八つ当たりしまくった。
結果、7ヶ月の交際がその日終わった。
私は尊厳と弁当と彼氏を1日で失ったのだ。
ちなみにこいつは、後に自称和モダンの痛々しい男へと変貌した。
今思えばある意味、振られてよかったのかもしれない。
でも八つ当たりは良くなかったと思う、ごめん。
皆さんも試験の時は面倒くさがらず、絶対スマホの電源は切りましょう。



さすがです、自分のやらかしをここまでネタに出来るその才能🤭
テストの結果が気になる・・・🤣🦌
リュックの中身のくだりで、中学生時代、クラスメイトにエ◯本を晒されたBlack History of Obsarubon (BHO)を思い出しました。
「明日、秘蔵のエ◯本見せ合おうぜ」と言われて、翌日素直に神棚に置いてあるおさるぼん家に代々伝わるエ◯本をリュックに格納して登校。
あろうことか、中休みにクラスメイトが勝手に開けて、わが家秘蔵の一冊が教室にさらされてしまいました。いま思えば、彼は最初からおさるぼんを晒し者にするつもりだった。その結果、クラスの女子からホワイトアイで眺められる刑に処され、中学時代はトラウマです。
尊厳がつまっているリュックを守った先生は、素晴らしいです✨✨