タバコの代わりがおしゃぶりになったら
若者よ、強く生きろ。そしてチュパれ
私の周りの人はヘビースモーカーが多い。
隙間時間が出来れば、いつも喫煙所へダッシュし、すぐさまタバコを吸っている。
そんなに吸いたいものなのか。
気になったので、聞いてみた。
Q. タバコは美味しいんですか?
A. 美味しくはない
Q. え、じゃあなんで吸うのですか?
A. 口が寂しいから
…なるほど。
つまり、口元に常に何か吸えるものがあれば多少解決するって事ですね?
そこで私はふと、足元にしがみついている坊やを見る。
チュッチュッチュ…
(訳:何見てんだよ)
おしゃぶりを必死に吸う、小さなボーイ。
目は完全に「これは俺のだ」と言っている。
…これだ。
口が寂しいなら、代わりにおしゃぶりをすれば良いのだ。
ニコチンやタールは残念ながら含まれていないが、口が寂しいという点だけに関しては解決する。
タバコがなくなり、全てがおしゃぶりとなった世界線。
私の頭の中で、新たなストーリーが幕を開けた。
ここは、とある大手企業のオフィス。
私はここで働いている。
数年前、タバコの使用は法律で禁止された。
その代わりに広まったのが、おしゃぶりである。
煙は出ない。
においもない。
火も使わない。
喫煙所なんて場所は、もうどこにもなかった。
仕事中も、業務に支障が出ない範囲であれば、おしゃぶりの着用が認められていた。
「集中力が上がる」
「気持ちが落ち着く」
「会議中の無駄な発言が減る」
など、企業側にもそれなりのメリットがあるのだ。
ある日の午後。
隣から同僚の男性2人のヒソヒソ声が聞こえた。
同僚A「おい見ろよ、部長を」
同僚B「ああ、かなりお怒りだぜありゃ」
え、なんでわかるんです?
思わず話に参戦する私。
同僚B「ったく…察しがわりーな、しらす」
同僚A「見ろよ、いつもより部長のチュパ速度が早ぇだろうがよ」
部長「……」
チュチュチュチュチュ!!
わ、本当だ。
いつもより2倍くらい、部長のおしゃぶりが小刻みに動いている。
おしゃぶりの取っ手もいつも以上にカタカタ鳴ってる。
あれは怒っている。
完全に怒っている人間のチュパだ。
数分後、オロオロとした顔の後輩が部長のところへやってきた。
なるほど、彼がきっとやらかしたんだな。
後輩「ぶ、部長!この度は本当に申し訳ございません!!」
部長(チュパチュパ…)
後輩「私がこのようなミスをしたばかりに…部長始め、多くの方にご迷惑をおかけしたことに対して」
部長「今更謝って何になる!!!謝罪の前にミスの対処だろ!!」
ぽろっ
あ、落ちた。
怒鳴った勢いで、部長のピカピカのおしゃぶりが床に落ちた。
部長「…」
後輩「…」
気まずそうな顔をする2人。
すぐに部長が拾い上げる。
そして装着。
チュパチュパチュパチュパチュパ…
どうやら部長は彼と話したくないようだ。
後輩は「すぐに対処します」とだけ告げ、いそいそと自分のデスクへ戻っていった。
疲れた顔で、深いため息を1つ吐く後輩。
そしてデスクの一番上の引き出しを開ける。
1番手前に入っていた、黒くてシンプルなケースを、パカッ。
そこには彼のMYおしゃぶり。
いいなー、あれこの前CMで人気俳優がつけてたやつじゃん。
スタイリッシュに装着。
チュッチュッチュッチュッ…
部長に負けないチュパ速度。
彼もまた、日頃のストレスを抱えているのだ。
若者よ、強く生きろ。
私は彼が今後の社会で活躍することをそっと祈った。
ラァイン♩
スマホの通知が鳴る。
『OSYABURI』の公式アカウントからだ。
どうやら新作のおしゃぶりが出たらしい。
限定カラー!
静音設計!!
オフィスにもなじむマットブラック!
ほぅ…いいじゃないか。
どれ、レビューは…
「妻との喧嘩後、これがないと無理です」
「会議中の余計な一言が減りました!」
「友人へのプレゼントに。とても喜ばれました」
⭐︎4.5
…ふむ。
私はそっと、カートに新商品を入れる。
世の中は、今日もおしゃぶりで救われている。
ここまでお読みいただきましてありがとうございます!
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今日もシラスが天才。
海外のスポーツ選手がガムを噛むがごとくですね…。
喫煙ルームも不要になるし、素晴らしい世界ですね。
しかし幼少期に使い、使用は何歳から再開するのだろうか?
さすがに学生時代は禁止して欲しい。
周りの生徒がチュパ音が気になって集中できないから。
隠れチュパは生徒指導室に連行してほしい。
あとおしゃぶりは出っ歯になりやすいから、
今は香りで「喫煙者…?」とバレるけど、その世界では歯並びを見て「もしかして、チュパ者?」とバレるのであろうか?
あぁ、妄想が捗りすぎる…😭😭😭
タバコが全面的に禁止になった世界で代用れるのはおしゃぶりだった…!
口寂しいから吸う=おっぱい吸いたい、っていう幼児退行だって言われてますからね。
おしゃぶりが流行りだし、手に職をなくしたタバコ産業は考えた…電子おしゃぶりの開発だっ!!
乳首部分は人肌まで温まる…これです!!社長!!
一方、外国メーカーは考えるのであった、カートリッジを取り付ける事により微量のトリプトファンを摂取出来るようにすればヨカロウナノダ!!
こうして、電子タバコに代わる電子おしゃぶり戦線が幕を開けたのである…!