閻魔様不在につき、私が代わりに裁きます(前編)
タロット秘書、猛獣、変態紳士、配管工
夏はよく憂鬱になる。
暑いし、ぼーっとするし、暑いし。
もう一回言う。暑いし。
こうなってくると、頭の中まで熱にやられるのか、なぜか「あの世」のことまで考え始める。
あの世って暑いんだろうか。
地獄はまあ、名前からして暑そう。
でも天国は楽園なんだから、エアコンなんて比じゃないくらい快適なんじゃないか。
うん。
クソほどどうでもいい。
それなのに真剣に考えてしまうのが、この私、しらすである。
とはいえ、天国か地獄かを決める権利は私にはない。
最終判断を下すのは、閻魔様。
生前のプロフィールを見て、経歴を見て、顔を見て。
「はい、天国。」
「はい、地獄。」
閻魔様の仕事って、なんかマッチングアプリのスワイプみたいだな。
もちろん、実際はそんな軽い話じゃないんだろうけど。
…ちょっと楽しそう。
一回くらいやってみたい。
というわけで今回は、前回募集した10人のフォロワーさんを亡者ということにして、閻魔ごっこをしてみることにした。
しらすの、フォロワーを巻き込んだ妄想シリーズがまた始まった。
【1人目】
いつでも居るがいつでも居ない八言
いきなりなんか癖強いのきたな。
顔見えないんだけど。
いつでもいるの?いないの?どっちよ。
しかもなんか隣にでかい猫いるし。
職業は観測者。
これは何を観測するかによってだいぶ方向性が変わってくる。
大阪に住んでたって事は、
多分観測してるのはヒョウ柄のおばちゃんか、スクワットしてるマッチョくらいだろう。
悪いことしてなさそうだし、天国でいいんじゃない?
…え?タロット占い?
このちっこいのタロット占いするの?
大阪の薄暗い道で占いしてたって?
一気に怪しくなってきたじゃないか。
何か変なもの売りつけてないかな。
地獄一旦送っとくか。
うん、そうしよ。
え?別の姿の写真が届いたって?
ちょっともぉー、早く言ってよー…
…
天国で。
いや、私の秘書ポジションで。
採用理由ですか。
顔です。
【2人目】
わくわくです!わくわくしてます!かわいいです!
何こいつ。
え、まじで何なのこいつ。
どこの動物園から抜け出してきた。
ここって人間以外も仕分けなきゃいけないの?
あぁ…そうなんだ。
閻魔って大変だな…
しかもこの子、自分で可愛いって言ってるよ。
わくわくしてるって言ってるよ。
ここあの世なんだけどな。
スーパーポジティブだよこの子。
地獄にいたら従業員みんな眩しさでやられちゃうよ。
天国の動物園に押し付けます。
あ、待って。
さっき来た追加情報を確認し忘れていた。
『仲良くなったらスリスリして顔面を削り取ってきます』
…
天国キャンセル。
八言君、地獄に頑丈な檻を発注しといて。
できれば二重扉で。
え?タロットで「やめた方がいい」って出てる?
まぁ大丈夫でしょ。
…多分。
【3人目】
英国紳士より深い歴史を誇る変態紳士の末裔
あ、あなたはさっきの生き物の追加情報をくれた人ですね。
危うく天国へ送るところでした。
ありがとうございます。
…あぁっ!
可哀想に!
頬が削れてるじゃないですか!
心なしかとてもお疲れにも見える。
これは被害者判定でしょう。
よし、天国で…
『英国紳士より深い歴史を誇る変態紳士の末裔』
んんんんん。
ちょっと待ってね。
肩書きが。
肩書きにクセがありすぎる。
変態紳士…は、地獄ですよね?
だって変態ですし。
パンツ頭に被って、めっちゃ真面目な顔して「ふむ…」とか言いそうですし。
でも、末裔か…
先祖の罪で子を裁くのも違う気がする。
しかし、わざわざプロフィールに書くくらいだから、それなりの誇りは持ってるんだよな…。
保留。
一回、別室で詳しく話を聞きます。
【4人目】
導線の詰まりを取る配管工
変態紳士の末裔の次は……
マ◯オの末裔か。
あいつダメなんだよな。
配管工って肩書きなのに仕事しないし、
配管よりクッパ城のほうが詳しそうだし。
いや、そんな事はどうでもいい。
この人も配管工してるのかな。
なんか服めっちゃ綺麗だけど。
アタックもびっくりの白さだよ。
配管工でこの白さ、怪しい。
待て。
よく見たら「導線」の配管工じゃないか。
どうやらマ◯オの末裔ではなかったようだ。
奴よりちゃんと配管工も人助けもしてそうである。
彼女は天国でよいでしょう。
ただ紛らわしいので、先にマ◯オと一緒に現場の配管工さんたちへ謝罪ツアーに参加してください。
4人目の判定を終えた、その時だった。
プルルルル……
机の上の電話が鳴る。
「地獄総務部のNoaです」
地獄にも総務ってあるんだ。
そういえば、さっきメガネをかけた知的的なレディとすれ違った気がする。
「先ほどから、そちらの判定について苦情が相次いでおりまして」
なんですって。
「まず1人目ですが、勝手に秘書として採用されていますよね?」
まずい、バレた。
「採用申請書が出ていません、すぐに提出を」
あ、つっこむとこそこなんだ。
すみません、すぐに出します。
「次に2人目」
「檻、もう壊れました」
早いよ。
まだ10分も経ってないよ。
「現在、獄卒6名が顔面を狙われ、追いかけ回されています」
…頑張れ。
応援してる。
「3人目」
はい。
「獄卒、デン太郎さんの顔面が削られているのを眺めながら、紅茶のおかわりを3杯も要求してきました」
くつろぐな。
「後パンツ被ってます」
よし、話す手間が省けた。
Noaさん、今すぐ地獄行きの手続きを。
あと、その獄卒を助けてあげてください。
一応歯の妖精だったはずなので。
「最後に4人目ですが」
「地獄の導線を勝手に改善し始めました」
やるじゃん。
「おかげで亡者がスムーズに流れすぎて、現場がパニックです」
しまった。
出来すぎてしまった。
4人しか見ていないのに、すでにあの世はカオスである。
残り、あと6人。
地獄の終わりが先か。
私のクビが先か。
その行方は一体。
続く。
【しらすの犠牲者🐟】
巻き込まれてくださりありがとうございました!








閻魔様の仕事をマッチングアプリのスワイプみたいに捉える発想、
まずそこから強いwww
「天国で」
からの
「いや、私の秘書ポジションで」
八言さんの採用理由が「顔です」はズルい🤣
さらにスリスリで顔面を削り取ってくる追加情報で、
天国キャンセルからの地獄に頑丈な檻発注、
判断が早すぎて笑いましたwww
わくわくさん強すぎです🤣
フォロワー巻き込み妄想シリーズ、
後半も期待してます☺️🎵
それにしても閻魔様ってクビになるのね←
閻魔大王は、仏教の死後の世界(十王信仰)における裁判官の中で「5番目」に登場する
死後は初7日から、7日ごとに10人の王から順番に審理を受け、没後35日目にあたる裁判(五七日)を担当するのが閻魔大王になる。そして49日目に最後の裁判が行われて、人間界に戻れるか?それ以外になるか?動物?植物?昆虫?そのまま地獄に?となる。
今ある私達は、誰かの転生として人間界に戻ってこれた、だからまた次の人生も人間界に戻れる行いをしよう!